このページでは、特殊工事であるウォータージェット工法の特徴について説明しています。
ウォータージェット工法のメカニズムや施工の対象となる構造物、ウォータージェット工事で施工するメリットなどです。
各項目について詳しくは、詳細ページをご用意しております。
このページ下部で各詳細ページへのリンクをご用意しておりますので、ご覧下さい。
目次(クリックすると該当箇所まで移動します。)
・超高圧水を使用するウォータージェット工法
ウォータージェット工法の概要
<参考>高圧水の比較表
・ウォータージェット工法は対コンクリートの施工に幅広く対応
ウォータージェット工事の主な施工対象
・なぜ、ウォータージェット工法なのか
①コンクリート構造物への悪影響を最小限に抑える
②ウォータージェット工法は低振動
③既設鉄筋の再利用が可能
<参考>ウォータージェット工事の日当たり施工量について
ウォータージェット工法の資料、当社についてのパンフレットをご希望の方は、こちらから申請フォームをご利用下さい。
超高圧水を使用するウォータージェット工法
ウォータージェット工法とは、最高245MPa(メガパスカル)の吐出圧力を誇るポンプユニットを使用して加圧した水を、小口径のノズルから噴出させ、施工対象のコンクリート構造物に発生する衝突圧力で、コンクリートを粉砕・除去する工法です。
ウォータージェット工法を使用することで、水の力による削孔・はつり(斫り)・表面処理(目粗し処理)・塗膜剥離といった施工が可能になります。
ウォータージェット工法の概要
ウォータージェット工法のメカニズムを図解したものがこちらの図です。
左から順に、ポンプユニットにより加圧された水が、ノズルからマッハ2の早さで噴出されます。
次に、水噴流が対象物に衝突する事で、衝突圧と衝突力が対象物に発生します。
そして、発生した圧力で対象物に亀裂が発生し、水噴流がその亀裂に入り込んで破壊面を押し広げる「水くさび作用」が起きます。
この「水くさび作用」により、水の力によるコンクリート構造物を破壊・粉砕する施工が可能となります。
<参考>高圧水の比較表
家庭用高圧洗浄機や洗車機など、高圧水は意外と身近なところでも使用されています。
そこで、ウォータージェット工法で使用する超高圧水の圧力が、どれくらいのものかを参考までに掲載します。
家の外壁など日常生活の洗浄から、コンクリートのはつり工事を行う土木工事の施工まで、使用目的に合わせて高圧洗浄機は幅広く用意されています。
使用目的に合わせた機器を選ばないと、適切な圧力・水量を設定できません。
圧力・水量が足りなければ期待する効果を得られませんし、強すぎれば破損に繋がる可能性もあります。
コンクリート構造物や鋼構造物に対する施工、つまりウォータージェット工法を実現するには、圧力・水量共に高い超高圧水が必要です。
それに適した機器を施工現場に持ち込み、適切に管理しながら施工を行います。
<表:高圧洗浄機の簡易性能比較表>
家庭用 | 業務用 | 高圧洗浄 | 超高圧 | |
圧力 | 6~8Mpa | 10~20MPa | 30~100MPa | 150~300Mpa |
水量 | 7ℓ/分 | 10~15ℓ/分 | 15~30ℓ/分 | 20~52ℓ/分 |
使用目的 | 日常の清掃 | 洗浄業者が使用する機材 | 土木・建設現場内、機器の洗浄 | 土木・建設工事の施工 |
ウォータージェット工法は対コンクリートの施工に幅広く対応
ウォータージェット工法で使用するポンプユニットは、削孔やはつりといったコンクリート構造物の破壊・粉砕・除去を目的とする施工と、表面処理(目粗し処理)や塗膜剥離といったコンクリート構造物の表面を対象にした施工の両方の施工を可能にします。
施工目的に合わせた水の圧力と流量をポンプユニットで設定し、各施工に対応した専用のアタッチメント機器を使用することで、幅広い施工を実現します。
ウォータージェット工事の主な施工対象
ウォータージェット工法主な施工内容は、
・是正工事やコンクリートの劣化部除去を行うコンクリートの部分はつり
・耐震補強工事時に一体化工事を行うためのコンクリート表面の目粗し処理
・プラント等の壁面、天井部に塗られた塗膜の除去処理
・道路の白線消しなどの塗料の除去、洗浄
といったものです。
※さらに詳しい施工内容については、当ホームページ内「ウォータージェット工法-施工内容-」ページをご覧下さい。
このようにコンクリートを対象にした施工の幅広さから、ウォータージェット工法は現代社会のインフラ設備、コンクリート構造物の維持・補修にとても有用な工法だと言えます。
なぜ、ウォータージェット工法なのか
コンクリート構造物の破壊・粉砕を行うと考えた場合、ブレーカー等を使用した打撃破壊もあります。
打撃破壊はコンクリート構造物の全体や大部分を破壊する解体工事に有効ですが、部分破壊・劣化部除去などのピンポイントでコンクリートを破壊・除去したり、元々の構造を活かす工事を予定している場合、ウォータージェット工法の方が有効です。
その理由には、以下の3点があります。
①コンクリート構造物への悪影響を最小限に抑える
先ほど、ウォータージェット工法の概要で説明したメカニズムにより水の力でコンクリートを粉砕するのがウォータージェット工事です。
その粉砕の作用はコンクリートと超高圧水の衝突の作用というよりも、コンクリートの結合部に水が入り込む力(浸透圧力)によって発生する水くさび作用により起こります。
それが、変形、ひずみ、残留応力の少ない施工を実現します。マイクロクラックもほとんど発生しません。
既存のコンクリート構造物に与える悪影響を最小限に抑えられる工法なのです。
②ウォータージェット工法は低振動
ブレーカー等の打撃破壊機器を使用したはつりなどの解体工事を行う場合、共鳴振動の発生により作業員への体の負担が大きくなります。
そのため、作業員の心身の健康を守るために連続作業時間が法律で定められています。
一方、ウォータージェット工法使用時の作業員への体の負担は、超高圧水噴出時に発生する反力のみ。
そのため、振動が少なく、打撃破壊による施工に比べると体への負担は比較的小さいため、連続作業が可能となります。
それにより、日当たりの施工量が見積もりやすく、施工計画通りに進みやすいのも、ウォータージェット工法の特徴の一つです。
また、ウォータージェット工法は天候に左右されない全天候型の施工なので、そういった面でも工期を守りやすい工法であると言えます。
※実際の施工対象や施工区画の状況により日当たり施工量は変わります。目安につきましては、この後に記載する「<参考>ウォータージェット工事の日当たり施工量について」をご覧ください。
③既設鉄筋の再利用が可能
ウォータージェット工法は施工対象物のコンクリート部分にのみ作用するので、施工対象物に組まれている鉄筋を痛めません。
つまり、施工対象となるコンクリート構造物の中にある、既設鉄筋を残した上での施工計画を立てる時に採用されています。
そのため、部分的にコンクリート部の斫りが必要となる維持・補修工事や是正工事のご依頼・ご相談も多く頂きます。
施工時には飛散したコンクリート片が既設鉄筋に当たり傷のように見える場合もありますが、実際には傷ではなく鉄筋に付着している塗膜が剥がれた跡なのでご安心下さい。
また、ウォータージェットの施工により鉄筋に付着していたコンクリートも除去されますが、既設鉄筋の組み方や施工対象の周辺状況により微量の付着物が残る場合があります。
使用するアタッチメントを変更し鉄筋洗浄を行い、付着物を除去することもウォータージェット工法であれば可能です。
お気軽にご相談ください。
<参考>ウォータージェット工事の日当たり施工量について
ウォータージェット工法はコンクリートの破壊・粉砕を目的とする工法なので、打撃破壊工法との比較についてよくお問い合わせを頂きます。
なので、ご参考までにポンプユニット1台当たりのウォータージェット工事における一日の施工量を掲載します。
一日当たりの施工量としては、決して大きな数字ではありません。これ以上増やすには、ポンプの台数を増やす必要があり、その分のスペースを確保する必要があります。
コンクリート構造物全体の解体には向きませんが、部分除去・劣化部除去といった手直しのためのはつり工事や元の構造を活かす補修・修復の前工事として採用されています。
<表>ウォータージェット工法の1日当たりの施工量と施工内容
はつり | 表面処理 | コンクリート目粗し | |
一日当たりの | 0.15立米 | 80平米 | 120平米 |
主な使用 | エコトップガン | エコトップスピン | ハンドアクアブラスト |
主な施工内容 | ・劣化部除去 | ・塗膜剥離 ・表面の目粗し ・洗浄作業 | 同時吸引方式で行う ・表面の目粗し ・洗浄作業 |
※施工内容を大きく3つに分け、それぞれ概算で出したポンプ一台当たり一日の施工量です。
※現場状況や施工対象物の状態により変動しますので、あくまでご参考にご覧下さい。
ウォータージェット工法の更に詳しい情報はこちら
当社ホームページ内では、特殊工法であるウォータージェット工法について様々な情報をご用意しております。
下記リンクからそれぞれのページをご覧頂けます。
・施工対象については「ウォータージェット工法-施工内容-」
・使用機材については「ウォータージェット工法-使用機材-」
・使用する水の扱いについては「排水処理(濁水処理)の流れ」
・施工時の現場作業の流れは「ウォータージェット工事の流れ」
・施工時の安全対策と取組みについては「安全対策-ウォータージェット工事の危険から守る-」
・当社施工事例については「施工例」
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